3月19日に開催された「新栄トワイライトvol.59」に、ひさしぶりに”孤独部”という名義で出場した。そこで上演した「編集できない無為な時間〈編集版〉」という作品の製作について振り返ろうと思う。
実はまだ今後の展開が予定される作品なので、ネタバレはなるべく避けて、製作面について書こうと思う。
孤独部とは
“孤独部”は、かつてぼくがやっていたひとり演劇ユニット。
“あたらしいまち”という劇団を立ち上げてからは孤独部として活動することはなくなっていたのだけど、このたび”野坊主”が復活するにあたり、“孤独部”として作品をつくることになった。
いま”孤独部”として作品をつくるにあたって考えたのは、ひとりユニットらしく、当時のようにただ自分の今やりたいことにフォーカスした作品にしようということだった。
脚本について
脚本自体はこの機会に向けて書いたわけではなく、別の企画に提出するために書いていたホン。
今回の上演のために他の案も考えたりしたんだけど、やはり今いちばん自分のなかでホットなこの脚本をやることにした。ブラッシュアップする機会にもなるし。
今回の上演にあたって演出面を考える中で、脚本段階の想定とは大きく離れたスタイルで上演したいという考えがあった。
結果、作品の内容とも結びつく、“ほとんど全編映像の作品”とすることにした。
製作過程
上演の約1ヶ月前にメンバー顔合わせ。
出演メンバーは皆あたらしいまちのメンバー。
あたらしいまちで培ってきたエッセンスも用いつつも、あたらしいまちではやらない感じの作品だと思っている。
実は顔合わせ時点では他案もまだあって、悩んでいたのだが、先の映像中心の演出にすることを決めてこの作品になった。
他案もいつか実現したい。
撮影
いつもの稽古とは違い、撮影を行った。
ロケ地はすべて自宅。
先日買った中古の一眼レフLUMIX G6を使って撮影。これで映像撮ってみたかったというのも動機のひとつ。
レンズは単焦点の換算50mmを使用。一ヶ所だけ2アングルで撮ったので、そこはGH2に100mmのレンズを併用した。
また、音声用にiPhoneでも同時撮影。
撮影自体は初めてだったものの、スムーズに行うことができた。
カット割が少なかったので楽だった。これが多かったら撮るのも、また後の編集工程も大変なことになるところだった。
ZOOMや配信のようなイメージだったので、PC画面に台本を写して読むスタイル。なので覚える負担がない分、役者さんも負担少なくできた。
役者それぞれに生活スタイルが異なるため、なかなか揃わないのだが、このやり方なら揃わなくてもつくれるのはありがたかった。今後も応用がききそう。
編集
以前から使っている、Davinci Resolveを使用。
編集も難しいことはしてないのだけど、慣れない作業で時間がかかった。撮影よりこっちの方が断然長い。
まず映像と音声を同期。映像は一眼レフ、音声はiPhoneを使用。これは事前に試したときに、映像は単焦点の背景ボケがある方がよく、音声はiPhoneの方が雑音が少なかったのでこうなった。
今回工夫を凝らしたのはアスペクト比。
16:9、9:16の縦動画風、4:3のプレゼン風と画角が代わり、後半はシネマ比率、その後帯なしにして大画面にした。
映像を大ざっぱに並べつつ、タイトルや途中のスライド・写真も挿入。
余談だが作中で使った写真はこのために撮ったものではなく、数年前に自分が偶然撮っていたスナップ写真を使用した。
まさに作中エピソードの着想をえた場面なのだが、まさかこんな風に使う機会が来るとは思ってもみなかった。不思議だ。
おおよそ形になったところで、映像と音声の処理にも挑戦。
映像は、色調をいじった。
最近写真の現像をやってたので、簡易的にではあるが元よりはきれいな映像に見えるようになったと思う。
音声は、DavinciにDAW顔負けのEQ・コンプが備わっており、こちらもさっそく先日のDTM経験が生きる機会となった。
元よりだいぶ聴きやすくできたと思う。
それでもどうしても入っているクリップノイズなどを、がんばって切り貼りして不自然でない程度に消した。
一部分だけどうしても気になるところがあり、別テイクの音声を引っ張って合わせた。意外とあうものだ。
最後に細かい繋ぎの間で悩んだりしつつ、完成。
そういえば書き出しも大変だった。
PCの容量が足りず、なんとか容量をやりくりして書き出し完了。さすがに10年選手のPCにはきつくなってきたかも……。
上演〜その後
上演にはキーノートを使用した。
キーノートで動画を流すと、元よりちょっと色が暗くなる。どうにかしたかったけどわからず、結局そのまま上演した。

上演の様子
後日、公演時は生だったシーンに撮っていた映像をあてたバージョンを作成し、1本の映像作品としても完成させた。
せっかくの機会だから映画コンペに出してみようと思い調べると、条件のあいそうなものがいくつか見つかった。なので一番締切が近いものに間に合うように再編集を終えて、応募してみた。
クレジットは「作・演出」から「監督・脚本」という表記に変えておいた。
というわけで、映画監督デビューした!
カメラを買ったときに、いつか映像も撮りたいなとは思っていたけれど、まさかこんなに早く、しかも映画をつくることになるとは。
初監督作品である。うれしい。
果たして映画コンペというものがどういうものなのかわからないが、誰かに見てもらえるのはうれしい。演劇作品として出すのとはまた違った見え方になるのだろう。
あとこうして形に残る作品ってあまりつくったことがないので、一度きりで終わらず何度も再生できる作品ができたのもなんだか嬉しい。
今年入ってからボカロPに映画監督と、連続でデビューを果たした。この調子で今年もいろいろ挑戦していきたい。